Road to Green
園庭芝生への道のり

Road to Greenのはじまり

9月の運動会にむけて鼓隊の練習に力が入ってくるのが初夏。 強い日差しの中、風が吹くと巻き上がる土煙り。目の開けられない子ども達・・・ あぁ、グランドが芝生だったらなぁ」と何度思ったことだろう。 先だって芝生化された小学校のグランド。羨ましいほどきれいだった。 けれど地域住民から聞こえてきた声は「芝を守るために保護者が校舎から観戦する運動会では・・・」という声だったという。 誰のための芝生なんだろうか?疑問に思った。

子ども達が転んでもけがをしない芝生・暑さを軽減してくれる芝生・虫も鳥も一緒の芝生・・・ 「芝生」のもたらす教育的意義は大きいことは、わかっているが、大きな初期投資 除草剤や殺虫剤そして養生中の立ち入り禁止など考えると一歩踏み出すことができなかった・・・

その一歩を踏み出すきっかけとなったのが2008年12月 ニール・スミス氏のTV報道。 私自身はOAを見たわけではないけれど 東京からの取材のカメラマンさんの一言だった。 「先生、そんなに芝生にしたいんだったら・・・いい芝があるそうですよ」と。 早速、ネット検索してみると「あぁ、この芝だ!!」と実感できた。 「反響が大きすぎて・・・」とあったのだが、何とかわけてもらえないだろうかと考えをめぐらしている時に 県サッカー協会からメールをいただく・・・そう、日本サッカー協会の「グリーンプロジェクト」だった。 すぐさま応募。ダメもとで出したけれどドキドキして待つこと数か月。『採用』のFAXを頂いたのが2月だった。 嬉しい気持ちと「ほんとに私達で・・・この富山で育てられるのだろうか?」と不安な気持ちが入り混じる。

子ども達と育てた「さつまいも」・子ども達と育てた草花・・・同じ気持ちで育ててみよう。 一歩を踏み出さないと何も始まらない・・・たとえ失敗しても、またやってみればいい。 そんな気持ちで私たちの「Road to Green」は、始まりました。 どうぞ、皆さん一緒に緑のカーペットが出来上がっていく過程を見守っていて下さい。

Road to Green

2009年6月15日

ポット芝生到着

JFAより今回無償提供を受けた芝は約5150株。シートにして、約206シート。総重量824kg。事前に連絡を受けたものの、どれくらいなのか全く見当がつかない。グラウンド向かいの農園に並べる準備をする。佐川急便から連絡を受け待ち受けていると4tトラックが入ってきた。予想をはるかに上回る大きなトラックに一同驚く。が、いざ扉を開けてみると2段にして大切に運ばれてきたポット苗が荷台の底に並べられていた。この芝を育ててくださったのは、全国に10ヶ所あるポット苗の育成拠点のうち、滋賀県野洲歴史公園の松木栄一郎さん。お礼の電話をしていろいろアドバイスを伺った。ご本人も奥様も富山県出身とお聞きしてご縁を感じた。 私たちも松木さんに引き続き大切に育てていきます。 長距離を運転してくださったドライバーさんも「来週も富山に来ますよ。神通川の鮎が解禁になりますからね。」とこれまたご当地に縁のある方が運んでくださいました。 いろいろな方のお世話をいただいてここまでやってきた「ポット芝」このご縁に感謝して、育てて行きます。

2009年6月17日

石拾い

石拾い

もうすぐ父親参観。お父さんと一緒に年長さん、年中さんがポット芝を植えます。 土のグラウンドが「緑のカーペットになる。」まだまだ、みんな想像することができません。 午後からの自由遊びの時間に、みんなで「石ころひろい」をしました。 この作業も子ども達にとっては、遊びの一つ。 「せんせーほら、おおきいのみつけたよ〜」張り切って拾ってくれました。

2009年6月19日

植え付け準備

前日準備です。バスのおじちゃん大活躍★お手製の三角定規を使って着々と線を引く準備が… 富山県民ならではの几帳面さが表れます。まっすぐなまるで田植えを思わせるきれいな線が引けました。

2009年6月20日

ポット苗植え

JFAから派遣で来てくださった池田省治さん。「味の素スタジアム」や「国立競技場」などなど一流のスタジアムの芝生を管理しておられるグラウンドキーパー。芝のプロの方に教えていただき力強い限りです。富山県出身ということで、これもご縁を感じずにはいられません。「故郷・富山での第1号」となる園庭芝生化。遠路はるばるご自身で車を運転して来県して、前日より指導してくださり、また当日帰られるというハードスケジュール。お忙しい中、来てくださった池田さんに応えるべく、後の管理を頑張ります!

当日は、梅雨というのに「夏日」になるような暑い日となりました。強い日差しの下、お父さん達のご協力で短時間に苗植えを終えることができました。ありがとうございました。

チューリップテレビも取材に来てくださいました。ポット苗の芝のことを富山の多くの方にも知っていただきたいと思います。 うっすら雑草の生えたところにも植えました。 池田さん曰く「雑草も絨毯の一部」一緒に刈り込んでしまうとのことでした。 雑草に負けないで!

午後からは、アスレチックやブランコ、滑り台など遊具の下や園庭の周囲にもみんなで苗を植えました。先生達もご苦労さま。子ども達・保護者のみなさん、先生達、そして池田さん。みんなの力で植えたこの苗をみんなで大切に育てていきましょう。最後は全員で写真撮影。

2009年6月30日

10日目

10日目の園庭。見ただけでも、一つ一つの苗が成長したのがわかります。 この10日間、夜や日曜日に雨が降ったものの子ども達が園庭で遊べなかった日はありません。普段以上にお外で遊んでいました。でも、芝の苗は元気に育っています。

ランナー同士が手を伸ばして今にもくっつきそう

サッカーのゴールも元の位置に戻しました。赤いポイントは、ラインの目印です。

来園される保護者や地域の方も「新聞に出てたのは、これですね」と苗の成長を気にかけてくださっています。

2009年7月10日

20日目

7月に入ってから北陸は本格的な梅雨となり、毎日雨降り。子ども達は晴れ間を見つけては園庭で遊んでいました。この間1度も散水はしませんでした。写真左手で、うっすらと緑になっているのは苔のようなもので、グラウンドがこのようになるのは、初めてのことです。写真手前の苗と苗の間の緑は、雑草です。

ランナーが伸びて、ランナー同士はくっつきました。 今日は年長児が宿泊保育の日。昨日・朝と激しい雨風で心配していましたが、お昼からは嘘のように青空で、くっきりと樫の木の影が浮かび上がるほど陽が射してきました。

2009年7月23日

1ヶ月

ランナーは横に広がり、丈も長くなりました。遠目には緑がつながっているように見えています。所々に見えるのは鼓隊練習のためのポイントです。この1ヶ月子ども達の園生活は変わりなく、遊んだり鼓隊の練習をしたりサッカーをしたり芝のために制約を受けることなく過ごしています。

こちらのサッカーの練習風景の写真は、7月6日(月)に撮影したもの。上の写真の2週間余り前で比べてみると一目瞭然!確実に育っています。けれども、一つ不安材料も…苗全体が小さかったときには目立ちませんでしたが、場所によって、成長の差が出てきたこと。やはり、サッカーゴール前や鼓隊のポイント周りなど子ども達がよく踏むところは、芝もストレスを感じているようで、ランナーは伸びていません。しかし、子ども達に制限することなく芝を育てたいという気持ちに変わりはありません。練習の後、水を撒くなどして様子をみていきたいと思っています。 7月26日(日)に夏祭りが終わり、幼稚園は夏休みに入りました。預かり保育など毎日子ども達は登園してきますが、保育時間・人数とも減る時期に芝が育ってくれることを願っています。

2009年7月24日

最初の芝刈り

ポット苗がこの1ヶ月育って、モサモサと丈が伸びてきました。1学期の終業式を迎えたこの日、乗用の「芝刈り機」が届き、試運転がてら、最初の芝刈りをしました。園庭の広い部分は乗用の芝刈り機で刈って、遊具の周りなどは、手押しの芝刈り機で刈りました。モサモサした部分が刈られ、遠目に茶色く枯れたようにも見えますが、刈ってやることによって、横に横にランナーが伸びてくれるということです。全国的に梅雨明けが遅れているようで、富山でも夏休みに入ったにも関わらず、雨降りが続いています。芝の生育にこの天気は良いのか悪いのか…不安なところもありますが、一つ一つの苗は日に日にランナーを伸ばしています。

園庭の広い部分は乗用に芝刈り機で刈ります。

遊具の周りなどは、手押しの芝刈り機で刈りました。

BFORE 刈る前の芝

AFTER 刈った後の芝

2009年8月6日

50日目

8月に入ってからも雨・雨・雨。なかなか芝刈りできませんでした。8月6日に晴れ間を見つけ、やっと2度目の芝刈りをしました。前回とは違い、刈った部分はラインができ、次に刈るラインがよくわかりました。 芝刈りしてから4日目ですが、茂っているところは、もう刈ってあげてもいいくらいです。

別の角度から写すとはげた部分がよくわかります。子ども目線で写真を撮っているので緑で覆われているように見えますがやはり、中央部の子ども達がよく活動していたところははげています。松木さんより、はげたところに肥料をよくあげてくださいとアドバイスいただき重ねてまいてみました。お盆休み中に頑張ってランナーを伸ばしてほしいと思っています。

おんぶバッタ発見。芝にとっていいのか悪いのかわかりませんが、子ども達は喜んで虫取りすること間違いなしです。
不安材料は、今年の冷夏といってもいいようなこの天気、土が緑になっています。そこはランナーも育ってない様子日照不足なんでしょうか?

 

2009年8月20日

60日目(2ヶ月)

2日前に芝刈りをした園庭です。サッカーゴール前のはげたようになっていたところも、ランナーが伸びてきました。茂るほどにはなっていませんが、このまま肥料をやっていくことで何とかなってくれそうな感じです。遊具のそばなどは手押しの芝刈り機で刈っていますがどんどんきれいになっていく様子を見ると、刈るのも楽しくて仕方ありません。「子育てと同じ」と池田さんもおっしゃっていましたが、芝のお世話も楽しんでやっています。
サッカーゴール前などなかなかランナーが伸びていなかったところにも少しずつ伸びてきています。この調子で、あと何日か経てばはげたところもなくなりそうです。

桜の木の下と園庭側の門の前はやはり芝が育ちませんでした。庭園のような美しい芝生はなかなか難しいです。

子ども達が遊ぶところにはふかふかの芝になってもらいたいと思います。

先日、芝刈りの様子をチューリップテレビの方とスポーツライターの方が追跡取材にきてくださいました。一面が緑で覆われている様子を見て、驚いておられました。「これもまだ成長の過程で、2年・3年と経てば層が厚くなって良い芝になりますよ」とお聞きして、また2年後・3年後が楽しみになりました。

2009年8月30日

70日目

お盆過ぎから夏が来たかのような天気となり、週に2回(火・金)のペースで芝刈りを行いました。暑さのせいなのか、芝刈りのせいなのか一面緑だった園庭でしたが、ところどころ茶色になって見えるのが少し気がかりです。

ランナーが重なり層の厚くなったところ。思わず裸足になる。明日の始業式、子ども達が来るのが楽しみです。

サッカーゴール前のはげていたところもこの通り。

8月31日始業式。2学期のスタートです。あいにくの天気でしたが、霧雨の中練習。芝生効果なのか、ボールがラインから出ることが少なくなり、宙を飛ぶボールが多くなりました。

9月1日。台風の後、夏の日差しの中の鼓隊練習。もう風で砂埃が舞い上がることもなく、暑さも軽減したようです。

2009年9月10日

80日目

晴天続きの毎日ですが、鈴虫が鳴いて、朝夕すっかり涼しくなり、季節は少しずつ秋になってきました。2学期が始まると毎日子ども達は、運動会の練習を頑張っています。芝生になった園庭では、もう風が吹いても砂埃が舞うこともありません。 室内練習で上手になった組体操もこれまでの土の園庭では位置確認しかできませんでしたが、緑のカーペットの上では本番さながらの練習をすることができました。 体操服も汚れることなく、前転やピラミッドもできました。練習ばかりではなく、自由遊びの時間には元気な子ども達の声が、緑の園庭に響いています。
遠目に緑に見える芝生も、気温が25度を下回るようになったためか、茶変してきました。近所の公園も茶色になっているのを見ると、これから「夏芝」は枯れていくようです。広島の業者さんに「オーバーシーディング」に蒔く「冬芝」の種をお願いしました。

2009年9月15日

オーバーシーディング

注文していた冬芝の種(ペレナルライグラス)が9月15日に届きました。 種はまるでもみ殻のようで、風吹けば飛んでいきそうなほど軽いものでした。これが、1200㎡なので2袋:45kgを蒔きます。蒔く時期をグラウンドキーパーの池田さんに相談してみると「3日に分けて蒔けばよい」とのアドバイス。また「4・5日で発芽しますよ」と教えていただきました。シルバーウィークの5日間だけでも養生できればいいなと17・18・19日に手で蒔きました。

雨の少なかった9月。蒔いた種が元気に発芽するように毎日、毎日水撒きを頑張りました。

連休も明日で終わりという22日になっても一向に芽が出ません。

ダメだったのかな?と心配になってきましたが6日目(23日)!みごと発芽確認!!種の殻を破って、赤い部分があり、そしてツクツクと上に緑の葉がまっすぐ伸びています。

写真ではボウボウに生えているように見えますが、目を凝らしてよ〜く見ないと分からないような小さな小さな赤ちゃんです。これがオーバーシーディング直前の園庭の様子(17日)短く芝を刈り込んでいるのでなお茶色に見えています。次の更新では、また緑が復活してくれている写真をお見せできればと思います。

2009年10月12日

オーバーシーディング後 約3週間(20日)の様子

オーバーシーディング20日目

うすい緑色の冬芝の発芽からどんどん園庭に緑が戻ってきました。台風などの雨の合間をぬって冬芝も初めての芝刈りをするまで成長しました。6日(火)の「芝 感謝祭」では日本サッカー協会 川淵キャプテンはじめたくさんのお客様に緑のじゅうたんを見ていただくことができました。 体操服も汚れることなく、前転やピラミッドもできました。練習ばかりではなく、自由遊びの時間には元気な子ども達の声が、緑の園庭に響いています。前回のオーバーシーディング前の様子と比べると、緑が復活したのが一目瞭然です。

7日(水)の2学期最初の手作り弁当の日。芝生の上でみ〜んなで「いただきます」しました。

緑の園庭は、子ども達の笑い声につつまれています。

走ったり、寝っ転がったり

2009年10月6日

日本サッカー協会 川淵キャプテンをお招きして『芝 感謝祭』

子ども達ににこやかに気さくに声をかけてくださるキャプテン。川淵キャプテンを全園児でお出迎えしました。

雨が心配されましたが、園庭でできました。

サッカー協会の方々、お世話になった池田さん、富山県・市教育委員会の方々や私立幼稚園協会に園長先生方。地域の方々が出席してくださいました。たくさんのご来賓の方から子ども達の様子を褒めていただきました。

子ども達の歓迎の様子や鼓隊演奏、お話の間きちんと整列している姿などを見られて「いろいろオープニングに行くけれど、こんな子ども達はいない。感激して胸があつくなった」とお褒めの言葉をいただきました。

代表のお友達からキャプテンに感謝状贈呈

川淵キャプテンより、記念のサインボールをいただきました

セレモニーの後、子ども達にミニサッカーゲーム。

川淵キャプテンも飛び入りでゲームに参加してくださいました。

川淵キャプテンを囲んで、園児達と記念撮影も。私たちにとって良い記念となりました。ありがとうございました。大切に芝を育てていきます

園児が帰った後、ホールでグリーンプロジェクトについて、またティフトン芝について幼稚園関係者・学校関係の方々と懇談を行いました。川淵キャプテンや池田さんに芝生について熱く語っていただきました。