これでいいのだ
2009年 3月28日(土)
昨年、漫画家の赤塚不二夫さんが亡くなられました。マンガといえば、両親の教育方針だったのかあまり見せてもらった記憶がなく、その影響もあり、とりわけギャグ漫画などは、私自身そのナンセンスな話の展開を面白いと感じられないでいました。けれども、葬儀でのタモリさんの弔辞を聞き、赤塚さんの人柄や作品に込められた想いを知ることができました。
「・・・あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。・・・この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、『これでいいのだ』と。」
《タモリ弔辞より》
「あるがままの現実」「あるがままの私」を受け入れるということは、とても難しいことです。私達は悪い結果にぶつかると、つい何かのせいにしてしまったり、思い通りにいかないことを愚痴ったりしてしまいます。そして、子どもにも「だからこうだって言ったでしょ」と怒ってしまうこともありませんか。原因や責任の所在を追究したりしても現実は変わりありません。私達は次の一歩を踏み出さなければ成長できないのです。そんな時「これでいいんだよ」と私を認めてくれ、この先へと背中を押してくれる存在があることがどんなに私に力を与えてくれることでしょう。仏さまや親がその存在であることをあのバカボンのパパは私達に教えてくれていたのかもしれません。
卒園生の皆さん、これから歩んでいく中で、どうしようもなく自分に自信をなくすことがあると思います。そんな時は、み仏さまが必ず「これでいいんだよ」と優しく見守って下さっていることを思い出して下さい。そして、親であり保育者である私もまた、「これでいいのだ」とどっしりと構え、子ども達に力を与えられるような、子ども達が自然と笑顔になれるような存在になりたいと願っています。
(副園長 土岐 環)