新たな気持ち
1月17日(木)
新しい年、そして3学期がスタートしました。3学期は、この1年のまとめの学期です。
また、いろいろ成長したことに自信をもって、年長児は進学に、年中・少児は進級に
それぞれ楽しみに準備をしてほしいと思います。
1月の仏教目標は「報恩」です。『ありがとう』の気持ちについては、いつもお話する
ことですが、この始業式で子ども達に「なにか物をもらったり、助けてもらった時だけ
『ありがとう』なのかな?」と尋ねてみました。「先生は、今日元気なみんなに
会うことが出来て、一緒に新しい年を迎えられたことに『ありがとう』という
気持ちで仏さまにお参りしましたよ。」と続けました。
「今日お休みのお友達は、きっとみんなに会えなくて残念な気持ちでいると思います。
みんなは、当たり前に幼稚園に来て楽しく過ごしていますが、そんな当たり前のように
思えることも、『ありがとう』なんだよ。」と 子ども達には難しかったようですが、
私自身に言い聞かせるように、お話ししました。
2学期末、白鳥見学に行った折りのこと。「去年はたくさん来ていたのに、今年は
10羽ほどで、子ども達もがっかりでした。」と付き添いの先生から様子を聞きました。
「せっかく出掛けて行ったのに残念だったね。」と私も返事をしましたが、自分が
富山に来て初めて田尻池の白鳥を見に連れて行ってもらった時を思い出し
はっとしました。
飼われているのではない、野生の白鳥がこんなにも間近に見られることに感動し、
また、地元の人々が今年も白鳥が飛来することを心待ちにしておられることを知り
「富山の子ども達は豊かな自然に囲まれて、恵まれているなぁ」と感じたものでした。
永らく恵まれた中にいたことで感動する気持ち・それを子ども達に伝えることも忘れ、
「去年は20羽だったのに、今年は10羽で残念」と思った自分が情けなくなったのです。
この冬は未だ雪が積もらず、子ども達は雪遊びをしていません。冬とは思えない
晴天のもと園庭で元気にサッカーをしています。これを「雪遊びが出来なくて、つまらない」
と過ごすか「やったー!今日もお天気で外でサッカー出来るね」と子ども達と喜ぶか・・・。
「去年の子白鳥、大きくなって戻ってきたんだね!」と子ども達と感動を共有する方が
いいに決まっています。残念に思う気持ちも大事ですが、全てのことを不足に考えずに
なにかプラスに考えることこそ、感謝して過ごすということではないでしょうか。
経験すること歳を重ねることで、反省し成長していかなければならないことはもちろん
ですが、『慣れ』が感動する気持ちをなくさないように気をつけなければ。このことは、
子ども達に教えることではなく、周りの大人が、この私がまずそのように考えて
生活することが大事ですね。
新しい年を迎え、『新しい気持ち』ってなんだろうと考えました。この1年を少しでも
「当たり前の日常を当たり前と思わず感謝して過ごす毎日」「新たな気持ちで感動を
子ども達と共有できる毎日」になるよう心がけ過ごしていきたいと思っております。
(副園長 土岐 環)